エアコンを購入したとき、取り付け工事を依頼することになります。
エアコン工事は依頼する前にいくつかチェックしておくべきポイントがあり、確認しておかないと追加料金がかかるなど、トラブルの原因となります。
今回はエアコン工事の依頼前に確認しておきたいポイントについて解説します。
エアコン工事の流れ
エアコン工事は一般的に次のような流れで行います。
既存エアコンの取り外し作業
1.ポンプダウン
2.室内機の取り外し
3.室外機の取り外し
4.配管パイプの取り外し
5.配管キャップを閉める、配管穴を埋める(新しいエアコンを設置しない場合)
エアコン設置作業
1.配管穴あけ(配管穴がない場合)
2.室内機の設置
3.室外機の設置
4.配管パイプ接続
5.真空引き
6.試運転
エアコン取り付けの「標準工事」とは
エアコン工事を依頼する際に確認しておきたいのは工事が標準工事に該当するかどうかです。
標準工事の範囲からはずれると、追加工事が発生しますのでどれくらいの追加工事が発生しそうかも事前に把握しておくと安心です。
エアコンの標準工事は次に該当する工事です。
1.新品エアコンの取り付け
2.配管は4mまで
3.室外機は地面直置き
これらの条件以外の工事は追加工事となり、別途料金が発生します。
次の項で詳しく見ていきましょう。
室外機の設置場所
室外機を同一階に大地置きまたはベランダ置きする場合は標準工事となります。
地面やベランダに設置できない場合は追加工事で設置することになります。
壁面付け
地面やベランダに室外機を設置できない場合や建物の構造上室外機を壁面に設置するように決まっているアパートなどでは、専用の金具を使って室外機を外壁に設置します。
屋根置き
専用の金具を使って屋根の上に室外機を設置する方法です。
日本家屋など軒がある場所では屋根置きを採用するケースがあります。
屋根置きではなく、配管を長く伸ばして1階に直置きする方法もありますので、業者に現場の状況を見てもらい、判断すると良いでしょう。
公団吊
マンションやアパートなど、ベランダのスペースが限られている場合は、専用の金具を使い天井から室外機を吊るす方法をとる場合があります。
公団吊はベランダに専用の設備がある場合のみ、設置が可能です。
2段置き
室外機を2段重ねて置く方法です。
直接重ねるのではなく、専用の金具を使って縦に2つの室外機を設置します。
配管の長さ
標準工事ではエアコンの配管の長さは4m以下です。
配管4mは、同一階に室外機を設置した際に想定する長さですので、2階に室内機を設置し、1階に室外機を設置する場合は追加工事が発生する可能性が高くなります。
配管用の穴
エアコンの設置予定場所の近くに配管用の穴が開いているかを確認します。
マンションやアパートなどの集合住宅ではあらかじめエアコン用の穴が開いていることがほとんどですが、戸建て住宅では空いていないケースもありますので、事前にチェックが必要です。
配管の穴が開いていない場合は追加工事で穴を開けます。
また、壁内に配管を埋め込む隠蔽配管の場合も追加工事が必要です。
専用コンセントの有無
エアコンの設置予定場所の近くに専用コンセントがあるかどうかを確認します。
エアコンは消費電力が大きいため、通常のコンセントでは使用できません。
専用コンセントがない場合はブレーカーから専用配線を引く電気工事が必要です。
配管処理
標準工事の配管処理はテープ巻きと言って、エアコンの配管をテープで巻いて処理しますが、追加工事で配管に化粧カバーを設置することも可能です。
化粧カバーを取り付けることで、見た目がすっきりとするだけでなく、紫外線や風雨から配管を守り、劣化を防ぐ効果が期待できます。
化粧カバーは色も数種類ありますので、外壁の色に合わせて住宅の美観を保てます。
エアコン工事の所要時間
標準工事のみの場合「1時間半~2時間」
エアコン設置工事にかかる時間は1台あたり1時間半~2時間が目安です。
エアコン工事の所要時間は戸建て住宅やマンション、新築、中古など、住宅の条件が異なってもほぼ同じです。
ただし、搬入に時間がかかる場合は作業時間がやや長くなる可能性があります。
なお、複数のエアコンを設置する場合は「1時間半×設置台数」と考えておくと良いでしょう。
追加工事がある場合「2時間~1日」
エアコン工事に追加工事がある場合は追加工事一つごとに30分~1時間程度時間が伸びると考えておきましょう。
既存エアコンの撤去作業は「30分」
エアコン工事では古いエアコンを撤去するケースが多くあります。
標準工事で設置されていたエアコンであれば30分程度で撤去できます。
そのため、標準工事の場合、撤去30分、新しいエアコンの設置工事1時間半~2時間で、2時間~2時間半程度かかると考えておくと良いでしょう。
工事をスムーズに進めるため、搬入経路を片付けておく
エアコンを設置する部屋までの廊下や部屋にものがたくさんあったり、エアコン設置場所の真下に物が多く置いてあると、業者はまずは片付けてから作業に入ることになってしまいます。
そのようなケースではエアコン工事に時間がかかってしまいますので、事前に搬入経路と設置予定箇所はきれいに片付けておきましょう。
業者は十分な注意を払ってエアコンを搬入しますが、万が一エアコンや体が物に当たって壊れてしまう可能性もあります。
事前に物はどけておき、搬入経路を確保するとスムーズです。
エアコン工事は余裕のある日を指定する
エアコン工事は標準工事であれば撤去、設置含めて2時間~2時間半程度が目安ですが、現場を見て、初めて追加工事が発生する場合がありますので時間に余裕を持っておくことが大切です。
もちろん、同じ日に施工する他のお宅でも急遽追加工事が発生する可能性があるので、エアコン工事はピンポイントの時間を指定できません。
午前や午後など、大まかな時間枠で指定できることもありますので、依頼の際に時間帯を確認しておくとともに、時間に余裕がある日を指定するようにしましょう。
なお、依頼日当日に追加工事が発生した場合は追加料金がかかります。
疑問点は依頼前に確認しておく
エアコン工事の依頼までに確認しておくポイントをご紹介しました。
工事の手順や追加工事、室内機・室外機の設置場所について疑問がある場合は、依頼前にエアコン業者に確認しておくと安心です。
確実に設置するためには、エアコン業者に現地調査を依頼するのがおすすめです。