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ーアンテナ工事に電気工事士の資格は必要?資格が必要なときとはー

テレビアンテナ工事を行う際、電気工事士の資格がないと取り扱えないのでしょうか。

 

結論から言えば、基本的なアンテナ工事では電気工事士やその他の特別な資格は必要ありません。

しかし付随する工事の内容によっては、電気工事士やその他の資格が必要な場合があり、さらに高所での作業になる場合もありますので、資格がない方のDIYはおすすめできません。

 

今回は、アンテナ工事で資格が必要な場合とはどのような場合か、解説します。

 

 

アンテナ工事に電気工事士の資格は必要?

 

アンテナ工事では、基本的な設置工事であれば電気工事士の資格はもちろん、そのほかの特別な資格は必要ありません。

 

テレビアンテナを設置するうえで必要な部材は、ホームセンターなどでも販売されているため、そのまま設置する分には電気工事士の資格がなくても取り扱えます。

 

ただし、付随する工事の内容によっては資格が必要な場合があります。

 

例えば、ケーブルや端子を何らかの理由で加工する、新築でアンテナ端子の新規設置をする場合などは電気工事士の資格がないと取り扱えません。

 

 

電気工事士とは

 

では、電気工事士とはどのような資格なのでしょうか。

電気工事士は、電気設備の設置や取り扱いの際に必要な資格です。

詳しく見ていきましょう。

 

 

電気工事士とは

 

電気工事士とは、電気設備の工事・取り扱いの際に必要な国家資格です。

電気工事士法で定められた独占業務資格であり、第一種、第二種に分類されています。

 

第二種が取り扱える範囲は一般住宅や小規模な店舗・事務所など、600V以下で受電する設備です。

第一種は第二種の範囲に加えて最大電力500kW未満の工場、ビルなどを取り扱えます。

 

 

電気工事士の資格がなく電気工事を行うと罰則の対象となる

 

無資格者による電気工事は罰則の対象です。

電気工事士の資格がない人が電気工事を行うと、3か月以下の懲役または3万円以下の罰金が科せられるため注意が必要です。

 

 

電気工事士法におけるアンテナ工事に関する解釈

 

電気工事法でアンテナ工事に関連する項目は電気工事法施行規則第二条に記載されています。

 

第二条(軽微な作業)では、

 

「自家用電気工作物の保安上支障がないと認められる作業であって経済産業省令で定めるものは次の通りとする」

 

としており、該当するものとして

 

「配線器具を造営材その他の物件に取り付けもしくは取り外し、またはこれに電線を接続する作業」

「電線管、線樋、ダクトその他これらに類するものに電線を収める作業」

「電線を直接造営材その他の物件(がいしを除く)に取り付け、又はこれを取り外す作業」

 

としています。

 

テレビアンテナの部材は加工の必要がないようにできているため、電気工事士の資格が必要な電気工事には該当しません。資格がない人でも行えます。

 

 

アンテナ工事の施工内容別電気工事士の要・不要

 

では、具体的にどのような場合にアンテナ工事で電気工事士の資格が必要になるのでしょうか。

 

項目ごとに分けると以下のようになります。

 

・テレビアンテナ本体の設置・固定…不要

・ブースターの設置…不要

・分配器の設置…不要

・混合器・分波器の設置…不等

・ケーブルの接続…不要

・アンテナ端子への接続…不要

・ケーブルを加工して接続する…必要

・アンテナ端子の新規設置・加工して接続する…必要

 

ケーブルや端子を加工しなければならない場合、新規設置する場合は電気工事士の資格が必要です。

 

 

アンテナ工事に関連する資格

 

アンテナ工事では電気工事士以外にも資格が必要な場合があります。

代表的な資格は次の通りです。

 

 

フルハーネス特別教育

 

アンテナ工事は高所で作業することが多くあり危険なため、フルハーネスを着用して作業する場合があります。

フルハーネス安全帯は6.75m(建設業は5m)以上の高さで作業する場合において着用が義務付けられています。

 

一般的な2階建て住宅の屋根は6~7m、屋根の一番高いところは7~9mありますので、アンテナ工事でフルハーネス安全帯を使用するケースは多いです。

 

フルハーネス安全帯を着用して高所作業する場合はフルハーネス特別教育の受講が必要となります。

 

 

アンテナ工事士

 

アンテナ工事士はアンテナ工事の技術的な基準を認定する民間資格です。

資格がなくてもアンテナ工事を取り扱うことは可能です。しかし資格を取得することによって、新しい規格にも対応したアンテナ工事に関する専門知識を持っていることを証明できます。

 

国家資格は存在しません。しかし民間資格でも、知識や技術を証明する一つの指標としてアンテナ工事士は役立ちます。

アンテナ工事士は3年更新の資格のため、資格保有者は最新の知識を持っているということを客観的に示せます。

 

 

CATV技術者

 

CATV技術者は、民間資格でありながらテレビジョン放送受信に関するメジャーな資格で、CATVの施工従事者やアンテナメーカーの担当者の多くが取得しています。

 

ケーブルテレビ工事に従事する人向けの資格で、電波受信の知識も必要な資格です。

 

 

建設業許可

 

建設業法に基づき、一件の請負代金が500万円以上の建設工事を施工する場合は、所在地を所管する知事か国土交通大臣の許可を受けなければなりません。

 

建設業許可は事業所が取得するもので取得要件が非常に厳しいです。

一般的にアンテナ工事会社で建設業許可を取得していることは稀です。

 

 

工事担任者

 

工事担任者は情報通信に関する国家資格です。

アンテナ工事というよりは、電話線やLANケーブルなどの接続工事に関する資格で、アンテナ工事会社では関連業務として有資格者が所属している場合があります。

 

AI(アナログ)種、DD(デジタル)種でそれぞれ第1種から第3種まであり、AI1種、DD1種の両方の有資格者は申請すれば「AI・DD総合種」という資格の取得が可能です。

 

 

アンテナ工事は資格不要だがDIYはおすすめできない

 

アンテナ工事は基本的に電気工事士などの専門の資格は必要としません。

 

しかし、アンテナ工事には一定以上の専門知識が必要になることも多く、何らかの理由でアンテナ端子を加工しなければならない場合は電気工事士の資格が必要です。

 

アンテナ工事の施工中に端子やケーブルの加工をしなければならないケースが出る可能性もあります。アンテナ工事は高所作業が含まれることが多いため、DIYでは行わず、専門業者に依頼することをおすすめします。

 

 

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